ウェブはバカと暇人のものを読みました

 ニュースサイトの編集者である中川淳一郎の著書なのですが、このタイトルはあくまで釣りタイトルで、こういう過激なタイトルに見合う文章が描かれているのは、最初と最後だけで大半は(良い意味で)普通な内容でした。
 ウェブへの過剰な幻想に対して現場の現状を皮肉っぽい文面で描いているのですが、著者と同じくウェブへの過剰な幻想を持つクライアントに不満を持っている人に向けた作品なのかなと思いました。
 この作品を読んで、まだ若く発展途上のメディアであるウェブにいきなりテレビと同じ成果を求めた結果、著者が描くようないびつさが生まれたのではないかなあと思いました。
 最先端で突っ走る人は大変だなあと思うと同時に、瞬発力が求められるプロジェクトだけでなく、中期的な成果が求められるプロジェクトも平行しているので、作中で描かれているほど皮肉に構えることもないかなと思っています。