ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り が面白かったです

 2023年に公開され、今では配信の有料レンタルや販売などで展開している、ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇りが面白かったです。

ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り

原作TRPGダンジョンズ&ドラゴンズファンにも嬉しい

 ぼくは、30年程前の学生時代に原作TRPGダンジョンズ&ドラゴンズに大いにはまっており、当時の記憶を振り返りつつ観るととても面白かったです。
ぼくのように原作TRPGをプレイしている人が楽しめる設定などは下記で事細かにまとめられていました。

『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』を原作TRPG側から紹介してみた|マイケル・スタンフォード

映画としてもとても面白い

 映画としての魅力については、やはりRHYMESTER 宇多丸さんの週刊映画時評ムービーウォッチメンでの解説が素晴らしく、ぼくも強く共感しました。

宇多丸『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』を語る!【映画評書き起こし 2023.4.14放送】 | トピックス | TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~

セクシーパラディンはXでトレンド、フィギュアにもなってる

 作中のゲストキャラとして大活躍する聖騎士ゼンクは、セクシーパラディンと呼ばれ、Xでもトレンドとなり、フィギュア化もされていました。

映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』に登場する”セクシーパラディン”「ゼンク」がフィギュアになって発売

属性とアウトローたちの誇りというサブタイトル

 多くの物語や教訓では、自分や相手の倫理や道徳の属性を越えた行動や決断への導きが重視されますが、今作では各自の属性はそのまま認め双方を立てる展開をサッパリとそしてユーモア溢れた演出で描かれていたのが斬新でした。
例えば主人公エドガンはゼンクを苦手に感じ対話や協調を打ち切るシーンがあったし、ゼンクもまたエドガンの立てる秩序に反した作戦には乗らず、クライマックスを前にあっさりと去りました。

 これは、原作TRPG D&Dのキャラクターメイク時に善悪の属性を決定し、プレイヤーはそれに応じた行動や演技を行うというルールの影響もあると思います。

属性 (ダンジョンズ&ドラゴンズ) – Wikipedia

 属性は上記の通り、倫理上(秩序/混沌軸)と、道徳上(善/悪軸)の二種類の組み合わせで表現されます。 ちなみに、主人公の盗賊(詩人)エドガンの性格や、サブタイトル「アウトローたちの誇り」が現す属性は一貫して「混沌にして善」でした。 そして、エドガンの作戦に協力するメンバーも「混沌にして善」属性で固められているのに対して、ゼンクは典型的な「秩序にして善」でした。

 彼らは自身の属性を相手に押しつけることのない範囲でのみ協力しあいます。
人間ドラマとしては若干の物足りなさは感じるものの、この潔さと懐の深さが、アウトロー エドガンとセクシーパラディン ゼンク双方の魅力を損なうことなく両立できた大きな要員と感じました。
 そして、エドガンとゼンクのような関係は、新鮮と感じる部分も多く、最近語られる多様化社会のあり方の一つとして機能するかもと感じました。