憑物語読みました(ネタバレありかも)

評価:
西尾 維新
講談社

¥ 1,365

(2012-09-27)

 西尾維新によるライトノベル作品、化物語シリーズ13作目「憑物語」を読みました。
例によって発売日の前日27日に、新宿の紀伊國屋書店で購入しました。
お店によっては前々日に発売していたところもあったそうですが、前回前日に購入した上板橋 TOBU BOOKSでは売ってませんでした。
 ちなみにこの巻は久々に「憑き物」と「物語」のダジャレタイトルでした。…つか、終物語もオワリモノガタリでなくシマイモノガタリにしたらダジャレになるのでは?と思いました。
 物語の感想ですが、今回はこれと言った謎やギミックはなく次の巻への繋ぎになる話という感じでしたので、ネタバレを注意せずに書きます。
 今回の語り部は「阿良々木暦」。「斧乃木余接」を軸にした物語だった(かなあ?)ので「影縫余弦」の語り部も期待してたのですが残念。
主な登場人物は、阿良々木暦、忍野忍、斧乃木余接、影縫余弦、ファイヤーシスターズの二人で、偽物語の延長って感じでした。
 時間軸としては「恋物語」の後「花物語」の前といった辺りで、やはり学習塾跡炎上のエピソードは語られませんでした。
ぼくは、忍野扇を中心とした暗澹とした物語の方に西尾維新らしさを感じていたので、このまま語られずに行っても良いかなと感じてますが。
 猫物語から始まるセカンドシーズンのテーマが各登場人物の怪異譚からの卒業と感じましたが、ファイナルシーズン最初のこの巻ではいよいよ阿良々木暦の吸血鬼・怪異譚からの卒業が語られはじめました。
 個性的で異端な人間の生き方を象徴したような怪異と学生時代に出会い、それらを異常な許容量で受け入れていた阿良々木暦が、卒業に向けて「普遍的な生き方」を忍野扇によって押しつけられていくのは鬼物語でも描かれていましたがファイナルシーズンではさらに露骨になっていきます。
それに対して阿良々木暦がどういう答えを出すのかがこれからの見所かなと楽しみにしています。
 選択のヒントになるのが、忍野 メメ、貝木 泥舟、影縫 余弦、臥煙 伊豆湖といった大人達の生き方なのかなと感じ、憑物語の中では、忍野 メメこそが「普遍的な生き方を強制する」存在に対して、上手く立ち回れると語られてましたが、果たしてどうなる事やら。
…ということで、引き続きファイナルシーズンを楽しみにしています。