小説「チルドレン」読みました

伊坂 幸太郎
講談社

¥ 1,575

(2004-05-21)

 伊坂幸太郎による小説「チルドレン」を読みました。
伊坂幸太郎作品は過去に「アヒルと鴨のコインロッカー」「死神の精度」の劇場版「重力ピエロ」の小説がいずれも好みに合わなかったのですが「チルドレン」はかなり楽しむことが出来ました。
 他の作品が気に入らずこの作品で気に入ったポイントは、露骨に悪い人が出てこないところと、作中に出てくる悪戯(パフォーマンス)の滑りっぷりが無かった点にあると思います。
…などというと、けんか腰でファンの方達には申し訳ないのですが、ぼくにとって伊坂幸太郎作品は著者が強く主張していることや、行間からあふれる常識としている折り目みたいなものが、根本的にあわないということで善し悪しの問題ではなく好みの問題であると思っていただきたいです。
 登場人物のシニカルで傲慢な物言いは相変わらずの伊坂節という感じでやはりこっぱずかしさに悶絶しましたが、嘘で始まるどんでん返しギミックが素晴らしくそれがメインにおかれていたので面白かったです。
また、彼の文章は状況説明においては非常に読みやすく、するすると読み進めることが出来、活字からちょっと遠のいている人のリハビリには良いかなあと思いました。