評価:
バンダイビジュアル ¥ 4,532 (2011-12-02)
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評価:
角川グループパブリッシング ¥ 693 (2008-10-25)
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福井晴敏による小説原作のアニメ「機動戦士ガンダムUC」episode4を観ましたがとても面白かったです。
以前に感想を書きましたが、ぼくは福井晴敏による小説を一通り読んでいるのですが、今回のepisode4は随分違う内容になっていて驚きました。
…以下ネタバレありで書きます。
episode4 重力の井戸の底で は原作では6巻にあたるのですが、アニメ版で演出的に強調されたシーンの多くは原作にはありませんでした。
例えば、ザクⅠ・スナイパータイプで活躍したヨンム・カークスは原作には居ません。
また、ロニ・ガーベイの父親マハディ・ガーベイは健在でシャンブロにはロニと共に搭乗しており、シャンブロvsユニコーンはマハディ vs バナージ・リンクスという感じでバナージがリディ・マーセナスと共闘した際にシャンブロを撃てと言われ「撃てません」と言うシーンもなく、バナージはむしろロニのため積極的に撃つという展開でした。
個人的には「撃てません」のシーンはアニメ版episode4で一番好きなシーンで、この変化はとても興味深いです。
ぼくがこれまでに格好良いと感じていた価値観は義務を優先して撃った結果、後悔と罪悪感にさいなまれ、ニヒルに影を背負って死に場所を探すみたいなものだったので、昔ならバナージを「軟弱者!」と思ったでしょうが、この作品ではロニの切なさもあって素直に感動できました。
また、やらなくてはいけないのは分かっているけど、どうしてもやりたくないことを、「できない」と叫ぶのは、自分の感情から逃げなかった意味では凄いことで、自分はそのことから逃げた、あのとき本当は「できない」と言いたかったけど言えなかったというような記憶があるのかも知れません。
それと同時に、あのシーンはバナージではなくリディにも感情移入していて、子供に「撃てません」と言わしてあげられてその責任は自分が取るという大人な対応に、やべえ格好良いと思ってしまったので、なんか色々絡み合っているのかも知れません。