ファイナルファンタジー10のストーリーが面白い

 年末年始にプレイしたFINAL FANTASY X HD Remaster(以降FFX)が滅法面白かったです。

FINAL FANTASY X | X-2 HD Remaster

 FFXは2001年7月19日にPlayStation 2(PS2)専用ソフトとして発売され、2013年12月26日にHD RemasterがPS3、PSVita向けに発売されました。
 現在は、Nintendo Switch、Steamなどでもプレイ出来、Steamでは頻繁にSALE対象になり、1731円などの安価で購入出来ます。

(Steam ダウンロード版)ファイナルファンタジーX/X-2 HD リマスター

きっかけは 人気投票番組

 FINAL FANTASYシリーズは、PlayStationでプレイが可能だった9でやめていたのですが、2020年にNHKで放送された「全ファイナルファンタジー大投票」で、FFXが作品部門1位、キャラクター部門でユウナが2位、音楽部門でザナルカンドにてが1位となっていました。

全ファイナルファンタジー大投票|NHK

 また、2021年に放送された、テレビゲーム総選挙でも9位となっていました。
(こちらはファイナルファンタジー7が3位)

“テレビゲーム総選挙”順位まとめ。TOP100公開! 1位は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』! ランキングをゲーム画面とともに紹介 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

 最新のゲームタイトルについていけないのには諦めがつきますが、若かった時代を代表する懐かしの名作とか不朽の名作みたいなタイトル…しかもファイナルファンタジーというのは、どうしても気になりプレイしました。
 …などと言いつつ、購入は2020年3月にSALEに釣られてでした。この時は一応押さえておくかくらいのノリでした。
それに加えてRPGだしとゲームパッドを買わずにプレイしたところ直ぐに挫折。
上記番組などを見て、いつか必ずやると決意はしたものの実際には2年以上放置していました。
2022年に子供用にゲームパッドを購入したのがきっかけでやっとプレイという、非常に鈍い対応です。

ストーリーが面白い

 やりこみ部分にまったく触れず、エンディングまでのメインシナリオだけをプレイした印象、ストーリーの面白さが際だっていました。
ストーリーの面白さにも色々ありますが、秘密や謎を匂わす演出に引っ張られ、真相を知ることで驚き感動するというタイプでした。

 先の展開が気になり過ぎて、目の前のクエスト、特にミニゲームなどに煩わしさを覚えることもありましたが、最終的には納得の真相が描かれておりとても感動しました。

ストーリー全体に関する、解説や考察に関しては下記がとても分かりやすいです。
…下記に限らず、てつおさんの解説・考察動画どれも滅茶苦茶お勧めです。

【絶対泣く】FF10感動のストーリー解説

なぜFF10は神ゲーと言われ続けるのか?

メタな視点でのストーリー感想(ネタバレあり

 ぼくのファイナルファンタジーシリーズへの関わり方などとあわせて振り返ると、FFXはゲームやシリーズからの卒業を意識する作品でした。
 過去のタイトルでも作中で沢山のキャラクターとの別れが描かれていますが、FFXの結末では主人公ティーダが物語世界から消えます。
ゲームプレイヤーにとって主人公は長時間の操作を通して、小説や映画など以上に強く共感する存在で、ティーダの消失は自分が物語世界から消えてしまったように感じました。
その感覚と消えたティーダは、シリーズを子供の頃からプレイしていたけれど、大人になりゲームから卒業した、かつての自分と重なりました。

 そして、ティーダの出身である夢のザナルカンドとその祈り子は、子供達の夢であるゲームと、それを作り続けてくれたゲームクリエイター達と重なりました。
 さらに、ゲームクリエイターは、ティーダを見送る残されたヒロインユウナ達とも重なりました。
今でこそゲームは生涯遊べる娯楽となりましたが、2001年当時はいつか卒業しなくてはいけないものという風潮もありました。
自分達は生業としてゲームクリエイターを続けるが、プレイヤーの卒業は優しく見送る。そういうクリエイターの覚悟やけじめを感じると、より深く感動出来ます。

 ユウナがエンディングで語る「いなくなってしまった人たちのこと、時々でいいから…思い出してください」という言葉も、色々な解釈が出来ます。
ゲームを卒業した人達へはゲームを、現役ゲーマーへは卒業した先輩や友人との思い出を、思い出してくださいと語っているように感じます。
 同時に、ゲームクリエイター、そしてゲームの中のキャラクター達は、プレイヤーのことを忘れずに待っているよというメッセージを感じました。

 などと熱く語りましたが、作り手にそういう意図があったかもわからず、解釈の根拠となる要素は作品側には特に見つからず、あくまでぼくの経験からの感想なのですが、作品解釈の補助線の一つになれば幸いです。

プレイ中はまあまあしんどい

 ストーリーには大いに感動したのですが、プレイしてみるとスキップ機能が無かったり基本的なシステムやらルールの理解に手間取りました。
この時代のゲーム…とりわけファイナルファンタジーシリーズは、プレイヤーが楽しむ為に本気でプレイしてくれることを要求してくるんだよなあ。
 序盤は情報を見ずにプレイしてましたが、取り返しのつかない内容も多く、フィールドの宝箱探しにも苦労しており、諦めて攻略サイトをガッツリ見ながらプレイするようになりました。
 それでも時既に遅く、序盤でスルーしたことが後で響くみたいなシーンが結構ありました。

FF10攻略wiki|HDリマスター対応|ゲームエイト

 ちなみに、ぼくは未プレイですがメインストーリーが完結した後に壮大なやりこみ要素があります。
あんなに切なく泣ける完結を通じてプレイヤーを送り出してしてくれたシナリオのボスより、全然強いモンスターが各地に(闘技場にも)居て、シナリオクリア以上の時間遊ぶことが出来ます。
 卒業を見送りつつも留年したい人への楽しみもたっぷり詰まっていて、ここにはゲームクリエイターの遊び心や商業作品に込めたサービス精神が見えて、それはまた別のけじめだよなあと感じました。

何はともあれお勧めです

 FFXはシリーズにけじめや区切りとつけられるという意味で最後のタイトルにするにも良いと思います。
 反対に、ファイナルファンタジーシリーズ昔やってたけど今はやっていないという人には、ユウナの言葉から連想する、忘れずに待っていてくれたことに、感動を味わうことも出来ます。
 シリーズはまったく知らないという人には、全ファイナルファンタジー大投票一番人気タイトルから押さえれば間違いないと思います。
…いずれの方にも、FFX、超おすすめです。