若者のいらだちをモチーフにした作品をみて想像したこと

 以前に感想を書いた舞台「僕たちの好きだった革命」では、1960年代流の若者は、シュプレヒコールという掛け声に象徴される「自分たちには意見がある、自分たちを無視するな」という主張をしていました。
 しかし劇中の1999年の若者は大人や他人が自分を無視するのは仕方ないと、主張することを諦めかけていました。そして、その10年後の現代の若者はあの頃よりもっと冷めていると触れられていました。
 以前にオープニングとエンディングが格好良いと書いたアニメ「東のエデン」には、「上がりを決め込んだおっさんに一泡吹かしたい」というセリフがありました。これは若者のいらだちの解釈として鋭いなとぼくは思いました。
 「勝ち組、負け組」という大人同士の自虐のジョークや「悠々自適な老後のリタイヤ生活」のような中高年の消費をあおるセールストークが溢れる世の中は、若者にとっては居心地が悪く言いたいことも溜まっていると思います。
 言いたいことはある。でも主張はしない。でも居心地の悪い世の中に一泡吹かしたい。なんか今時の若者の鬱憤とはこんな形なのではないかな?と、ぼくは想像しています。