デザインワークの「情報の非対称性」で思うこと

 先日のオイコノミアで育児や家事に「情報の非対称性」という言葉を使うことで、色々モヤモヤしたものがしっくりきたので、デザインの仕事でモヤモヤすることにも「情報の非対称性」という言葉を当てはめるとこれがまた分かりやすかったです。
まず情報の非対称性という以下みたいな意味なのだそうな。

情報の非対称性(じょうほうのひたいしょうせい、英: asymmetric information)は、市場における各取引主体が保有する情報に差があるときの、その不均等な情報構造である。「売り手」と「買い手」の間において、「売り手」のみが専門知識と情報を有し、「買い手」はそれを知らないというように、双方で情報と知識の共有ができていない状態のことを指す。情報の非対称性があるとき、一般に市場の失敗が生じパレート効率的な結果が実現できなくなる。このとき、必ずしも情報を持たない側に不利益が生じるわけではなく、情報を持つ側に不利益が生じることもある。

情報の非対称性 – Wikipedia

 この中の「必ずしも情報を持たない側に不利益が生じるわけではなく、情報を持つ側に不利益が生じることもある。」という部分が人間関係というか精神的には重要で、情報を持たない側の態度に情報を持つ側がダメージを受けたり傷ついたりする場合が多いです。
 特に情報を持たない側に権限があるような場合(プロと依頼人は基本的にこの関係だと思います)、スケジュールや報酬が小さく見積もられてしまいプロジェクトに支障が出る場合もあり、Twitterなどソーシャルではその手の恨み辛みにあふれています(笑
そんな状況に「相手が自分のことを分かってくれない」と感情的になるのではなく、分かるための情報を相手がそもそも持っていないと割り切り、情報を見える化してその上で交渉を行うという切り替えが大切だなと思います。

 一部の制作現場ではこういった情報の非対称性への対策が進んでおり、権限を持つ者に情報を伝える活動(セミナーなど)を行ったり、情報を持つ者が権限を持てるようにプロジェクトの担当範囲の見直したりしているようです。

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