シン・ゴジラ観ました(ネタバレあるかも)

 日本映画で第29作であるゴジラシリーズ、総監督・脚本庵野秀明による映画「シン・ゴジラ」を観ましたがとても面白かったです。
Twitterなどネットの評判をみていると多くの人が絶賛しており、賛否両論かもという人も自分は好きだったという感じで、怪獣特撮映画としては異例の高評価だったのではないかなと思います。

映画『シン・ゴジラ』公式サイト

 子どもの頃から怪獣特撮映画を観て、そこから大きなお友達と言われる世代になっても引き続き庵野秀明によるアニメ作品を見続けていたぼくとしては全てが王道的に普通と感じて違和感無く全編を楽しく観ることが出来ました。

 ゴジラ対策に国家が混乱する描写に対して政治映画だという意見もありますが、それこそパニック映画・怪獣映画の王道醍醐味だし、ちょっと背伸びした小中学生くらいの子どもにとって一番楽しめる「子ども向け」な内容だったと思います。
 なんだかんだいって直接的に描くほどにリアリティが薄れていく怪獣に対して、周りの人間を丁寧に描く事でリアリティを濃くしていくというのも、特撮映画手法の一つだし、そこも含め一貫して怪獣特撮映画だなと思いました。
…つか、あれが難しいと心配するのはオタクのガキを嘗めすぎだし、あの政治的リアリティに注目しすぎるのは野暮ったいと感じます。

 怪獣映画としてのゴジラの暴れっぷりも素晴らしく、特に火を吐くシーンなどはその恐ろしさなど素晴らしかったです。
巨神兵の特撮版ではビームの破壊力がちまちましているように感じて不満だったのですが、ゴジラは威力ありすぎで大満足でした。
 怪獣特撮映画として思いっきり悪のりして攻めたのが素晴らしく決まったのが、作中最高に盛り上がるシーンで使われるBGMが、ゴジラシリーズ定番の「自衛隊マーチ」だった点です。いやあ、あの曲で号泣するとは思いませんでした。
ぼくの中では完全に泣ける曲になりました(笑

 また繰り返し日本が経験してきたからこそ描ける、大規模災害時のリアリティも真に迫るものがあり、こちらには世界に伝えたいメッセージがあると思います。
 一歩引いた感想として、エンドロール時に、凄い人数のキャストに多くの協力企業など多くの人間によって映画が作られているというのが改めてわかり、作中で描かれているテーマを制作関係者らが実践しているように感じて素晴らしかったです。

 序盤に一個ちょっとしたミスリード的な演出があるのですが、それ以外は大きな謎や広告の引っかけなどもなく、初代ゴジラを知っていれば全てが淡々と進行する王道作品だと思います。
あわてずにのんびりでも問題無いので、是非オススメしたいタイトルです。