機動戦士ガンダム THE ORIGIN 青い瞳のキャスバル観ました(ネタバレあり)

 安彦良和の漫画原作のアニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 青い瞳のキャスバル」観ました。
 安彦良和は「機動戦士ガンダム」でキャラクターデザインおよび作画監督をしており、また漫画家として多くの賞も受賞しており、ガンダムをコミカライズするなら彼になるだろうなという作家です。
 ネットの評判はもちろん、友人知人や伊集院光さんとか日頃から意見を参考にしている多くの人が絶賛しており、特に伊集院さんは次回公開に時間がかかることに一番不満があるというくらいの高評価で、間違いなく名作と言えると思います。
 とまあ前置きを入れましたが、個人的にはあまり好きではありませんでした。
…あくまで好き嫌いで善し悪しでないですがその辺の理由を。
 一番気になったのが、主人公であるキャスバル(シャア)のすごさを強調するためなんだろうけれど、その他のキャラクターが滑稽に扱われすぎているように感じた点で、例えばジオン・ダイクンが、カリスマ性よりも人間くさい部分が強調され、キャスバルがそれに幻滅しているかのような描写は、やっと描かれたジオン・ダイクンがあれじゃあなあって感じてしまいました。
 ただこれはすごく好みが分かれる点で、シャアが大好きな人にとっては痛快な演出だったと思います。
 また、作中の笑いと不穏さ不吉さのバランスがすごく皮肉というか悪趣味で、そういう演出自体は結構好きだけど「ファーストガンダムでは見たくなかった」と感じてしまいました。
 例えばサスロ暗殺直後に、ドズルの不死身っぷりが笑いのように描かれると同時に、キシリアが犯人に見える不穏な描写があることで、「笑えねえ…」ってなってしまいました。「キシリアって昔から兄貴殺すんだあ。あっはっは。」とここも笑うところすか?みたいにかなり構えてしまいましたw
(余談ですが、サスロ暗殺犯人はスピンアウト作品で「ギレン説」があるも、公式作品中では不明とされているようです)
 同じようにアルテイシア(セーラ)とランバ・ラルのコメディなやりとりも、ファーストでのランバ・ラルの最後を思うと切なさの演出や皮肉が効いてるを越えて「悪趣味が過ぎないか?」って感じてしまいました。
 …まあそんなことを気にせず、懐かしいキャラクター達の在りし日の姿が描かれているだけで嬉しいって見方がたぶん一番盛り上がるのだろうとは思うのですが、なんか不意打ちが仕込まれてそうで油断できませんでした。
というような警戒が強くなる理由に、原作漫画の方に悪趣味が過ぎるだろうみたいなシーンがいくつかあって途中で読むのを止めた経緯がありその辺の影響かなと思います。
 原作漫画を全部読んでネタを知ってから安心して観た方がいいのかなあ。