あなたの人生の物語の感想2022(ネタバレあり)

 テッド・チャンによるSF短編小説「あなたの人生の物語」の感想を改めて読み返したところ、以前と印象が大きく異なっていたので、改めて記事にしてみました。
 以前の記事で、当時感じた事は書けていたと思うので、今回は変化した点について書きたく思います。
…また、この作品は、読むタイミングによって、大きく印象が変わるので、今後大きく変わる可能性があると感じています。

あなたの人生の物語が素晴らしいです(ネタバレあり) | Office Nakao

子供の成長に伴い感想が変わった

 感想が変わったきっかけは、子供の成長を間近で見ていたからだと思います。
 子供の語彙が増えると内面に育まれている人間性が強く見え、親が子供の人生の善し悪しを判断することが不遜と感じるようになりました。
 まして「あなたの人生の物語」で主人公ルイーズの娘が亡くなるのは彼女が二十五歳という大人になってからの出来事であり、親の産んで育てたという主張は子供の人生の否定になるとすら感じます。
…それに気付いて、以前の感想を今読み返すと恥ずかしい部分も多いです。

親の子離れの物語なのかな

 「あなたの人生の物語」ではルイーズの語る「そう、その女の子。その子がわたしの娘」という言葉がとても印象的です。
 この言葉はルイーズが序盤で彼女の娘の遺体確認を行った際と、大勢の新生児の中から娘を見分けられると語る場面とで使われます。
 最も不幸な時と最も幸せな時、両方で我が子の全てを受け入れるルイーズの決意は、親の子離れを極端にすることで分かりやすく描いていると感じました。

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