ゴジラ-1.0を観ました

 「ゴジラ-1.0」を、プライムビデオで視聴しました。
先日観た「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」に続いて、新しい人気タイトルが、サブスクで観られるのはとても嬉しいです。

ゴジラ-1.0/C

映画『ゴジラ-1.0』公式サイト

【予告】映画『ゴジラ-1.0』《大ヒット上映中》

シン・ゴジラを意識すると面白い

 この作品は2016年に公開された庵野秀明脚本・総監督「シン・ゴジラ」を意識して比較しながら見ると特に面白いと感じました。
シン・ゴジラは怪獣映画としての魅力に特化し登場人物の人生描写が極端に希薄だったのに対して、ゴジラ-1.0は怪獣映画としての魅力と人生描写を濃厚に描くという両立を成し遂げています。
これは歴代の怪獣映画の中でも画期的と感じました。
 この両立を成し遂げたゴジラ-1.0の絶妙なバランス感覚やチームが一丸となった温かさを感じると、シン・ゴジラのスタンドプレイ重視と切り捨ての演出に殺伐とした寒々しさを覚え、「ゴジラ-1.0はシン・ゴジラを超えた」という風に言いたくなってしまいます。
やはりゴジラというブランドの最高タイトルは温かいモノの方が嬉しいですし。

 そんな風に思う理由に、シン・ゴジラ以降のシン・エヴァンゲリオン、シン・ウルトラマン、シン・仮面ライダーの制作ドキュメンタリーなどで見せた庵野秀明さんのある種の横暴さ(個人の感想です)の影響もあると思います。

 というようなことを思ったのはぼくだけでしょうが、実際にシン・ゴジラは日本では大ヒットを記録しつつ海外では評価されていなかったのに対して、ゴジラ-1.0は海外でも好評で、アメリカ映画界で最高の栄誉とされるアカデミー賞で、日本の作品として初めて視覚効果賞を受賞しています。

アカデミー賞「ゴジラ-1.0」山崎貴監督ら帰国 受賞の喜び語る | NHK

「ゴジラ-1.0」はなぜアカデミー視覚効果賞を獲ったのか【西田宗千佳のイマトミライ】

ゴジラ-1.0を見るべき3つの理由 岡田斗司夫ゼミ#509(2023.11.5)

山崎貴監督作品にも苦手という人が多い

 ちなみに、山崎貴監督作品が苦手という人も多く、特に「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」終盤の衝撃展開では一部で激しく炎上してしまいました。

映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』公式サイト

 そんな、山崎貴監督作品が苦手という方の間でも、「ゴジラ-1.0」に関してはある程度(とはいえ結構辛口かな?)評価するという意見もあり、その辺りから注目して観ても面白いと思います。

宇多丸『ゴジラ-1.0』を評論:週刊映画時評ムービーウォッチメン【公式】2023年11月16日(Eng.sub)

勘違いで終盤盛り上がった(ネタバレあり

 以下、ネタバレありですが、ぼくはクライマックスに大きな勘違いをしており、そのお陰で大いに盛り上がりました。
 それはゴジラに対して特攻したと思っていた敷島が実は脱出していたというシーンです。
ぼくは整備員橘が最後の説明時に特攻直前に引けと言った「爆弾の安全装置」が嘘で、それこそが脱出装置のレバーだったと勘違いしました。
 敷島は戦争では出来なかった特攻を成し遂げたと思ったのに、橘の嘘によって、生きる目的のない世界にまた生き残ってしまい、呆然としていたところに、亡くなったと思っていた典子生存の知らせを受け、生きている喜びを噛みしめるという展開だろうと思い込みそのつもりで観ていました。

 実際には、整備員橘が敷島に脱出装置についての説明をしたことが後にわかり、「まあ、そりゃあそうだよな。」となるのですが、この勘違いのお陰で終盤は、作品評価が変わるほど高いテンションで盛り上がる事が出来ました。