「そして誰もいなくなった」を読みました

 アガサ・クリスティの推理小説「そして誰もいなくなった」が面白かったです。
ミステリー好きが必ず挙げる名作で気にはなっていたのですが、電子書籍ストア BookLive!で発見して遅ればせながら先日初めて読みました。
 ミステリー作品と言っても、友情や恋愛や復讐やら旅情などミステリー以外の部分も楽しめるようになっていたり、読者が落ちこぼれないためのヒントが演出に含まれる作品が目立つ中、「そして誰もいなくなった」はミステリーだけを描いているのにとても面白くまたヒントに漏れがなく、こういうのを本格ミステリーと言うんだなあと思いました。
 文章が読みやすくあっという間に読めて、ぼくはその勢いのまま謎を明かすシーンを迎えてしまい、「あー、ちょっと」って気分になりました(笑
 推理を楽しむのであれば、「トロール漁船<エマ・ジェイソン号>の船長より ロンドン警視庁に送付された証拠文書」のところで一度、物語を振り返りじっくり考えるのが良いと思います。
 負け惜しみですが、そこで一度振り返っておけば充分に謎は解けたと思います。
 犯人のトリックはある程度分かっていたのですが(インスパイアされた作品も多いですので)、別の人間でも可能そうだったので犯人の断定までは出来なかったです。
 この作品を読んで、古典ミステリーが意外と好みということに気づいたので、これからちょくちょく読んでいきたいです。