評価:
福井 晴敏 角川書店(角川グループパブリッシング) ¥ 540 (2010-02-01)
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福井晴敏による小説「機動戦士ガンダムUC」が面白かったです。
アニメ版も、5月19日にepisode5「黒いユニコーン」がイベント上映されるなど非常に盛り上がっていますが、ひとまず小説にて物語を楽しませて頂きました。
以下、ネタバレありで書きます。
ガンダムは色々なシリーズ展開をしていますが、「逆襲のシャア」で終了していた初代の続きということで、オールドファンにはたまらない作品です。
ブライト・ノアやカイ・シデンなどのキャラでにやっとさせる程度かと思っていたら、プルトゥエルブやミネバ・ラオ・ザビといったキャラが物語の軸となり活躍していることで、ただの同窓会ではないワクワク感がありました。
物語はラプラスの箱という謎を解き明かすことで進む物語で、ジオン・ダイクンのニュータイプ論などと巧みに絡めたものでなるほどなあと思いました。
…ただ、引っ張りすぎて、謎のクオリティと演出や登場人物のリアクションのバランスがずれてたかなあと感じました。まあ、作中でも知ってしまえばなんということはないと描かれてましたが。
登場兵器はどれもガンダムの流れを踏襲していて、特にクシャトリアのファンネルは「逆襲のシャア」の際の軽快さがありニヤニヤしてしまいました。
同時にファンネルバトルは「逆襲のシャア」のνガンダムがやり尽くした感があり、ユニコーンというファンネルを越える新しい存在はまだ続きがあると感じ嬉しかったです。
…余談ですが、ぼくも含めてどうもまわりでは、シナンジュの受けが悪いです。プラモ好きもあまり手を出してないです。
パイロットの操作も含めて一番格好良いモビルスーツ戦をしているはずなのに、何か普通って感じで萌えません。現実的過ぎるものには憧れないのかもなあ。
「逆襲のシャア」という幸薄い完結に、救いと未来が想像できる続きを描いてくれたことはとても嬉しいです。
個人的には、今回の救いのある終わりや、様々な続きを自由に創作できる下地があるこの状態で、一年戦争から始まるガンダムの完結となると、非常に座りよく落ち着けるなと思いました。
…まあ、続編が出たら出たでそれは嬉しいのですが。