OVAブラック・ジャック「しずむ女」をあえて今

 手塚治虫の漫画原作のOVA作品「ブラック・ジャック」のカルテX:しずむ女をあえて今オススメしたいなと思いました。
 かつて豊かな漁場だったが公害汚染にあい住人に公害病が蔓延したという町を舞台に、海女をしながら一人で暮らす少女とブラックジャックとの話を描いた切ない物語です。
少女、月子は身寄りがなく知識もなく、海で採った魚がもう食べられないこと、自身が公害病を患っていること、保障が受けられることを知りません。
 誰も買い手がつかない魚を月子が売り歩く姿は、海が汚染されることは健康被害以外にも、自立して暮らしていた人間から仕事を奪う悲しさを鋭く描いていたように思います。
 そして、知らないということを愚かであると見下すことなく、愛おしさを失うことなく描ききっているのが素晴らしいと思いました。
 また、その月子を折笠 富美子が、自分が可哀想だというようなことを一切気づかない純粋で前向きな芝居を熱演していて、それが強烈な印象になっています。

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