2017年 春アニメを振り返ってみて

 今期のアニメをざっと振り返ってみたく思います。

冴えない彼女の育てかた

 作中に出てくる登場人物の設定レベルが高すぎて、作中で実際に出来上がった作品レベルの実例がそれに比べて劣っているように感じたのが厳しかったです。
また良い作品とはという定義だったり考えを実例によって表現するというシーンがなく、人気が出たという結果だけで表現しているのも苦手でした。

エロマンガ先生

 この作品の見方の作法として、男女関係無く自分がヒロインの紗霧であるという視点が必要だと思います。
 引きこもりでも許される職業とネットを中心とした人気をもっていて、面倒を見てくれる兄正宗が居て、恋愛の応援をしてくれる山田エルフに、当て馬になってくれる千寿ムラマサという具合に、紗霧にとって素晴らしく都合の良い世界で、彼女になったつもりで作品を観ると多分面白いだろうと思います。
 …ただ、ぼくはこの女の子キャラになりきって観るがまったく出来ず、加えて正宗視点で観ると紗霧に異性としての魅力がなくノり損ねました。

レクリエイターズ

 SNSの拡散などによってキャラクターが強くなるという無茶な設定はかなり好きです。
 まあ、元々からして色々無理のある設定なので、それをひっくり返すアニメーションとしてのクオリティとバカになって観られる勢いが魅力だと思っているのですが、9話のアルタイルに関するエピソードあたりから急に展開がスローでシリアスで小利口になったが残念です。

サクラクエスト

 いわゆる普通の20歳の女の子による町おこしを描いた作品で、イベントの仕事などをしていると「あるある」と感じるシーンが沢山出て来て面白いです。
ちなみにぼくが町おこしの成功の形がイマイチイメージ出来ていないので、どういう形に収まるのか、今後の展開をとても楽しみにしています。

正解するカド(ネタバレあるかも)

 最終回の展開がいきなり過ぎてAmazonのレビューなどが大荒れですが(笑)、個人的には短辺SFとしては全然アリというかむしろお作法に則っていると思いました。
 結末に出てくるあるキャラクターや、彼女の存在を利用した戦術の妥当性に関しては思うところもあるのですが、トリックの切れと作品テーマを鑑みるとアリだと思いました。
 レビューではビックリするくらいにザシュニナに対する同情が作品批判として語られているのですが、彼の切なさこそが素晴らしいSF作品と評価すべき点であるとぼくは感じました。
…つか、最近はユーザーが痛みを伴う表現に対してかなり厳しくなっているなあと感じさせられます。

 などとアレコレ語りたいのですが、考察に関しては下記の記事が素晴らしく全て語ってくれていると感じたので、不完全燃焼さが残る人にはおすすめです。

正解するカド12話(最終回)の感想・解説・考察!花森と真道のその後