歩いても 歩いてもを観ました

 是枝裕和監督映画「歩いても 歩いても」を観ました。
15年前に他界した長男の命日に集まる横山家の、何処にでもある日常的な部分を中心に描いた作品です。
 家族一人ひとりの、いやな部分を突き放しながら描いたり、素直に接することが出来ないもどかしさを笑いを交えて描くことで、実際には家族といっても距離感ってあるよねみたいな表現が生々しく、最終的にはその距離感を持ったまま両親は他界してしまいます。
 こういう結末の作品の多くには「日頃の自分を見直して家族に優しくしましょう」みたいな教訓めいたものが入るのですが、この作品に関してそういう押しつけがなく、「うちだけではなく余所の家族もやっぱりそうなのか」だったり「これで良いんだよな」と素直な気持にしてくれます。
 その素直な気持ちで作品を振り返ると「面倒な部分も多いけど素晴らしいものあったなあ」と気づき、じゃあ、自分の家族との日常で素晴らしいところって何処だろうか?という探求を楽しめるようになると思います。