GaiaDaysFunctionBand 「中也が愛した女」

 赤坂RED/THEATERGaiaDaysFunctionBand中也が愛した女」を見てきました。この作品には、劇団一跡二跳時代から大好きな溝渕隆之介さんが小林秀雄役として出られてました!
 ストーリーは詩人・中原中也、長谷川泰子、小林秀雄の「奇怪な三角関係」、そしてその後の中原と泰子の人生が描かれています。
同棲、不倫のような関係、未婚の母という長谷川泰子の生き方とそれに影響される、中原と小林を通してぼくは「日頃自分が隠そうとしている男の弱さ」を深く考えることが出来ました。
 ひときわ素晴らしかったのが中原の嫉妬。
男の嫉妬は見苦しいとかストーカーとか言われ、あってはならない見たくもないとあつかっているものですが、お芝居を観ているうちにいつの間にか中原の嫉妬心が憎めないものと感じるようになっていました。
そして、中原のむき出しの嫉妬心でののしられる小林の弱さや残酷さも何故か受け入れる事ができました。
 ぼくは男の弱さに反応しましたが、泰子を通した女性の描写も鬼気迫る物がありました。
 それらは確かに危なっかしくて恥ずかしく直視したくないものですが、みんなが隠し持っている人らしい部分なのだと感じました。
人の人らしいところを好きになれる、そんな気づきを与えてくれるお芝居でした。