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半藤一利の監修による映画、聯合艦隊司令長官 山本五十六を観ました。
役所広司演じる山本五十六が素晴らしく、最悪の事態を想定しつつも何が起こってもまったく動じることがないという、リーダーとしての自分を持っているというキャラクターと、どこか本音の見えない役所広司の芝居がぴったりだったなあと思いました。
物語全体の見所は、現代戦における変化の早さに翻弄される人々や、意思統一の難しさや一部が暴走している組織の中でどう出来ることに全力を尽くすのか?という部分だったかなと思います。
…というとなんかイライラしそうですが実際には、山本五十六をほぼ完璧な人間として描く事で全然ストレス無く、大きな組織になるとこれくらいおおらかな気持で仕切る必要があるのかと考えさせられました。
俯瞰した視点で作戦や戦術を考えるシーンがやはり多いですが、海戦シーンなどの迫力やクオリティも素晴らしく、特に阿部寛演じる山口多聞(ミッドウェー海戦には飛龍にて参加)の活躍が印象的でした。
個人的にはミッドウェー作戦やガダルカナル島の戦いで、旗艦として活躍する大和が描かれていたのは嬉しかったです。
空母が主力となり戦艦は有用なる兵種にあらずみたいな兵器を否定する描写よりも、海軍の戦略や戦術の拙さが強調して描かれており、船に思い入れのある人(笑)が観ても不快ではないだろうと思います。(大和は広すぎて落ち着かないとか言われてますが w)