これまで何度か推理を記事にしてきた、ひぐらしのなく頃に 卒が完結しました。
推理に関しては徹底的に外れましたが、最終的には楽しめたかなと思います。
ファンタジーがメインだった
ミステリー的演出(証拠を集め、相手の嘘を暴くこと)で解決する推理と考察を続けていたのですが、14話から露骨なファンタジー展開となり、そのまま一気に完結となりました。
ファンタジーが確定したと感じたのは14話で梨花が、沙都子の死に戻りをびっくり箱の差しかえによって暴いたのが意図的でなくたまたまだった、沙都子犯人に繋がるフラッシュバックを見ていた辺りで、結構ギリギリまでミステリーによる解決が推理出来たのは楽しかったですが、外れたのは残念でした。
とはいえ仮に、びっくり箱の差しかえが梨花のトラップでさらに沙都子を取り押さえるという解決をしても、その後に梨花と沙都子がお互いの主張をぶつけ合う展開になり、その絵面などを思うとファンタジーの方が良かったと思います。
祟明し編はミステリーとして面白かった
上記のように、真相と結末はファンタジーな展開でしたが、祟明し編で、大石が主犯となって、沙都子と鉄平と児童相談所の原山と共犯で、鉄平確保という嘘が出来る点などは面白いと思いました。
祟殺し編のラストは、圭一が本当に見たものでなく、実際には起こっていないことを真実かのように(小説でいう地の文風に)進むのには不満がありますが、沙都子が大石に語った狂言である点などを思うと、まあアリかなと。
沙都子と勉強
14話での梨花の正論「勉強が嫌?あんたが真面目にやれば済む話でしょうが!!」に対して、15話では沙都子は死に戻りを繰り返しても(繰り返すことで余計に)、勉強が受け入れられないと語り、梨花もまたそれを理解するシーンがあり、納得しました。
15話に対するネットの感想でも「勉強くらいできるだろ」的な主張があり、これは理解されない問題として、繰り返し強く描いたのには意義があったと感じました。
ファンタジーの中のミステリー
梨花と沙都子によるかけらの中ではミステリーという要素がほとんどないのですが、羽入と梨花の会話には、ミステリー的ギミックがあったと解釈しています。
エウアは羽入よりも強い力を持っており、かけらの中の出来事だけでなく、梨花と羽入によるかけらの外での会話まで知ることが出来ます。
それによって、沙都子は梨花に先んじることが出来ていました。
しかし羽入はそれを知っていて、梨花に対して自分は消えると嘘を語り、それを聞いたエウアを出し抜いたのではないかと考えます。
そう思うと、梨花の会話で羽入は、自分は残滓であるからという理由で、言えないとか分からないとか、言葉を濁したり言葉足らずと感じるシーンがありましたが、実はのぞき見るエウアを騙していた…と考えるとミステリー的に楽しめます。
「奇跡」と繰り返し主張し、エウアの油断を誘っている羽入を想像すると痛快ですし、…梨花曰く、羽入は梨花以上の狸らしいので、それくらいやってくれそうです。
全体の感想
ぼくはやはり旧作の方が好きです。
必ずしも同じ結果になるとは限らない梨花のかけら巡り、誰が発症する分からない雛見沢症候群、政府まで絡んだ雛見沢大災害、山狗という暴力的存在、そしてかけら巡りを使うことなく絶対の結果として君臨する鷹野三四など、魅力的な設定は旧作の方がより多かったように思います。
一方で、ネットでの話題性などを見ていると、今の時代には合わせているように感じられ、参考にしたいなと思いました。