パラノマサイト FILE23 本所七不思議をプレイしました

 スクウェア・エニックスから発売されたホラーアドベンチャーゲーム「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」をクリアしました。

パラノマサイト FILE 23 本所七不思議 公式サイト | SQUARE ENIX

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』トレーラー

 様々なハードでプレイできますが、ぼくはSteam版でプレイしました。
https://store.steampowered.com/app/2106840/_FILE23/

パラノマサイト FILE23 本所七不思議

購入のきっかけは日本ゲーム大賞2023

 ゲームの最新事情に疎いぼくがこのタイトルを知って購入しプレイしたのは、日本ゲーム大賞2023 授賞式での伊集院光さんの熱いコメントの影響が大きいです。
(下記動画の1:04:50辺り)

【TGS2023】日本ゲーム大賞2023「経済産業大臣賞」「年間作品部門」 発表授賞式

…加えて、そのタイミングに30%オフのセールがされていたのが決め手でした。

プレイしてみての感想

 グイグイと物語に引き込まれ一気に終盤までプレイできた点はとても面白かったです。
ただこれは完全に個人的なミスというか挫折なのですが、終盤三つの謎がまったく解らず攻略サイトを見てしまい、クライマックス部分を楽しむ事ができませんでした。
パラノマサイトは最後の謎を解いたという高揚感が無いと全体の印象はかなり薄いものになってしまう物語構成で、ここは本当に無念です。
 伊集院光さんのあの熱いコメントは、最後を自力でクリアしたからこそなのだろうなあと思うと大いに落ち込んでしまいます。

 ちなみに、パラノマサイトの攻略には非常に気の利いた、いきなり答を明かさず、まずはヒントを教えてくれるという下記のようなサイト(謎のヒントと答があるので閲覧注意です)もあるのですが、そちらを活用してアレコレ考えた結果やはり解けませんでした。

お札を剥がす順番 | パラノマサイト FILE 23 本所七不思議 攻略wiki – ゲームウィキ.jp

 終盤攻略の敗因は、それまでの謎が頓知的なスピーディに解けたものだったのに対して、資料を読み込んだり、ストーリーチャートや選択肢を総当たりで調べる地道なものに変わったという点にあります。
そして、謎を解いた後に描かれるであろう物語が気になり過ぎて、つい見てしまいました。

 冷静に振り返ってみると、それまでの謎はプレイヤーに対して時間制限は設けてないものの物語や演出的にも即回答が必要な出題だったのに対して、終盤はあわてずにゆっくり考えて良いという演出がヒントだったのかもなあ。

 そしてややネタバレになりますが、終盤の謎を解いた後は、謎の回答を分かりやすく説明したり物語の中でさらなる真相が語られることはありません。
 プレイヤーが自力で解いたことが真相で、そこに至った人なら気付いていることにはあえて触れないことで、答を見つけそれが正解だったというプレイヤーの感動がクライマックスであると強調する演出と感じました。
 まあ、ぼくは挫折してしまったので解らんけど。。。

…下記の開発者インタビューでネットで答を見る事を想定しているという発言に、少し慰められた印象です。

発売後だから話せる制作の裏話が満載!「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」インタビュー | Gamer

全体の感想

 絵や音楽は非常に丁寧に作られていて、常に安心してプレイできました。

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議 オリジナル・サウンドトラック』試聴PV

 インターフェースとして、視点を360度動かして周囲を調べる機能には、「志村後ろ!」とか「自分の後に霊が居たらどうしよう」という怖さを期待したのですが、残念ながら印象的なシーンはありませんでした。
ストーリーチャートで物語の特定の場所から複数のキャラクターを同時にプレイできるスタイルは、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』と『EVE burst error』を足したような印象で、勝手知ったノリでプレイできました。
…ちなみに物語や文章は、特に菅野ひろゆきさんぽさはなかったです(笑

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 公式サイト

EVE burst error R WEB SITE

 調べたことはプレイ中いつでも閲覧できる「資料」として蓄積されるシステムです。 最終的には結構な情報量となり、選択肢などではそれらを読み返しての攻略が必須になります。 情報量の多さが楽しいと感じたり、選択肢で資料を読み返す一手間に自力で謎を解き明かしているという達成感を感じられるかが、この作品にはまれるかどうかのポイントになると思います。
 ぼくは、資料を読み込む大切さがゲームで表現されているのは新鮮で面白かったです。

 物語については、上述の通り終盤挫折の印象がかなり影響して印象が薄いです。 また、ホラーとしての怖さやスリルが味わえるのは、冒頭の興家彰吾編のみで以降はミステリー色が強かったです。

 キャラクターは、ライトというかコミカルに描かれている印象でした。 凄惨な展開も多い物語を気軽に楽しめる一方、キャラクターに深い関心が持てませんでした。
そういう点も含めて、冒頭の興家彰吾編で見せる各キャラクター達の儚さが一番好みかな。

『パラノマサイト』ファンアンケート結果発表! 名ゼリフ投票や使いたい呪詛ランキングを公開。好きなサブキャラ1位は並垣、メインキャラ1位は… | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

ネットとゲームの関係で思ったこと

 パラノマサイトはインタビューなどから、攻略サイトや自身はプレイせず配信者のプレイ動画のみ見る動画勢としての楽しみ方を肯定的にとらえたタイトルと感じています。
 終盤の謎などでは、配信者が解らないとぼやいたり、答えに気付いて歓喜する姿が、絵になりそうだなと感じました。

 また、一方で昔ならプレイヤーが自身でメモなどを取っていた攻略情報が、「資料」としてゲーム内でいつでも参照出来る様にまとめられており、プレイヤーがゲームから目を離さずに攻略できる工夫もされていたと思います。
 この両立が、今後のゲームや娯楽に求められる要素になると感じました。

ネタバレなしの攻略がお勧めです

 パラノマサイトは「記憶を消してリベンジしたい」ゲームNO1です。 ぼくはできませんでしたが、ネタバレ情報を一切見ずに最後までプレイしたらかなりの達成感があると思うので、ネタバレに触れてない方には超お勧めです。