最終戦争論・戦争史大観がプロジェクト・組織論として凄いかも


 石原 莞爾による最終戦争論・戦争史大観が面白かったです。
ぼくは戦争に携わる人間ではないので、作中の戦争を「プロジェクト」に置き換えて読んでいたのですが、なるほどなあと思う部分が沢山ありました。
 まず戦争における武力の価値が他の手段に比べて高いほど太く短くなりそれを決戦戦争と、反対に武力の価値が政治的手段など他の手段に比べて低いと細く長くなりそれを持久戦争と命名し区別するところから始まります。
 プロジェクトにおいても、締切や本番に向けた決戦的なものや、継続的に利益が得られる持久的なものに別れるなあと感じました。
 歴史的に見ると古代ギリシャやローマ時代は国民皆兵の決戦的で、ローマ帝国全盛時代になると国民皆兵から傭兵を使うものになり持久的になり、ルネサンス時代にはスイスなどに象徴される傭兵の一歩進んだ戦争の請負業が産まれさらに持久的なものになったそうな。
 これはWEB制作会社が当初全員で締切に向かい制作をしていたのが、ベンダーを利用したビジネスモデルに移行、さらに制作会社に丸投げという流れに似ているなあと感じました。
…等々、なんか参考になるなあと感じる部分が多い著書で、今後色々引用すると思います。