天気の子が面白かったです(ネタバレあり)

 新海誠監督によるアニメーション映画 天気の子を遅ればせながら観てきましたが、色々なレビューにあるお勧めな見方や見所などを参考にした結果か、噂から想像していたよりも好みで面白かったです。

映画『天気の子』公式サイト

 レビューで役立ったのが「天気の描写が見所」と「ストーリーはあんまり気にしない」という点で、その結果すごくスムーズに作品を楽しめたと思います。

 個人的には、主人公の森嶋帆高視点からではなく、雑誌記者の須賀圭介やなんなら老刑事安井の視点から観てしまい、作中で起こっているファンタジーな出来事に関してはぼんやりとしか感じられなくなっていました。
もちろんこれはぼくが中年かなんなら初老であり親をやっている影響もあるのですが、作中の帆高や天野陽菜の子どもっぽい描写の積み重ねからも来ていると感じました。
帆高が子ども舌向けなジャンクフードをやたら美味しそうに食べるシーンや、メインビジュアルのやけに子どもっぽい陽菜や、天気の子という映画タイトルなど、彼らは中年や初老にはよく分からない若く幼い子どもなんだとかなり強くすり込まれます。
そして、須賀の視点も物語進むにつれて、やはり自分の立ち位置とは違うなあと感じさせられ、安井くらいの位置から若者を愛でるという視点で作品を観ていました。

 天気の子が昔のエロゲのお作法などに則っているという考察に関しては、スゲエ混ざりたかったのだけれど上記の様な状況で、あんまり深く考えられませんでした。
ただ、セカイ系のお作法に対しては、観る側が少なくとも二通りの見方を選択することができて、「帆高と陽菜の選択の結果 その後気象はああなった」と「帆高と陽菜の選択に関係なく 元から気象はああなるものだった」に別れ、前者を選択すれば超王道セカイ系作品であるになるけど、後者を選択するとセカイ系の否定になり、そこにハッキリ答えを出さず自由に選択できるのがぼくは好きでした。
…つか、ここに関しては、ぼくも脳内にゲームインターフェースな選択肢ボタン見えたかも(笑

 ぼくは後者を選択していて(前者に対しては「そんなわけあるかい」とすら思ってた)、若者を愛でるオッサンポジションだったから、若者の頑張りは眩しく愛おしく心から応援しているけれど、同時に全部背負おうとしなくても良いし、無理せずに逃げちゃっても世の中どうって事ないよと伝えたいとも感じていて、とても気分良く見終われたのですが、前者を選んだ人はどうだったのかなあ。
 その辺も含めて、劇場などで天気の子を観て泣いている中高生の若者達を愛でて、一緒の空間を堪能するというのがお勧めの見方だと思います。

 といった案配に、噂の印象よりも面白い作品で、まだ上映している劇場も多く、グランドシネマサンシャインでは9月末まで IMAX®レーザー/GTテクノロジースクリーンでの上映もあるそうなので、まだお勧めです。
…天気の子に限っては、最前列フラットシートもお勧めですよ(笑

グランドシネマサンシャイン IMAX®レーザー/GTテクノロジースクリーンの最前列フラットシートで「天気の子」観てきました | Office Nakao