フード理論実践篇

 先日記事にしたお菓子研究家福田理香がフードからの目線で映画、ドラマ、アニメの構造を露わにしたフード理論ですが、「物語のためにではなく、実際のコミュニティや人間関係で利用されている」例がいくつかあるなあと思いました。
 例えば「ゴロツキはいつも食卓を襲う」のは、「ゴロツキを悪く見せる物語の作り手事情」以前に、「嫌がらせをするなら食卓を襲う」のが実際のゴロツキのセオリーだったりします。
 食事の邪魔をされるダメージ、家族が揃う場で恥をかかされるダメージ、また家族を人質を取られたように感じるダメージだったりと、食卓を襲うのは嫌がらせとしてとても効くというのは、由緒正しいゴロツキのノウハウだったりします。
(逆に、人間関係を大事にしたい相手の食卓は大事にするって常識もあります)
 また、人を仕切る仕事をしている人は、相手がどんな風に食事をするかで判断しているし、仕切られる側は相手がそれをチェックしているのを把握して美味そうに食べるように注意を払っています。
…そういう意味で、「フードを美味そうに食べる、フードを粗末にしない」は、仕事で他人と食事をする人は最低限押さえていると思います。(フードを食べないは管理職の人などが演出で使う場合があると思います)
 そんな事情からフード理論的善人は「相手を気遣えるプロフェッショナルに見える」という側面もあり、現場仕事などで「各自好きに買って来て食べるチーム」よりも「ロケ弁当が準備されているチーム」の方がプロぽく見えたりするなあと思いました。